韓国のビザ申請に必要、もしくはビザがとりやすくなる「社会統合プログラム」。
これまで、名前は聞いたことがありましたが、永住権の申請を考えるようになり、調べてみました。
本記事はこんな方に向けて書いています。
●社会統合プログラムとは何?
●自分が社会統合プログラムを受けるべきかどうか知りたい
●社会統合プログラムの授業の内容やシステムを知りたい
社会統合プログラムとは?
社会統合プログラム(사회통합프로그램)は、主に移民や在外同胞向けに、韓国語や韓国文化・社会への理解を深める授業のことです。
外国からの移民者が、韓国生活になじめるように韓国語や韓国文化・社会に関する授業を行っています。
韓国に滞在している外国人であれば誰でも受けられますが、ビザの取得のために受講する人が多いです。
授業料はいくら?
授業は無料です。
授業で使うテキストのみ、自費で払うことになります。
授業自体は無料ですが、段階の割り振りのための事前評価、4段階から5段階に上がるための中間評価、5段階終了後に受ける総合評価、この3つの試験は有料です(2021年3月現在 38,000W)。
段階についてはこれから説明していきます。
段階別の内容
社会統合プログラムは、0段階~5段階の合計6段階に分かれています。
0~4段階までは、「韓国語および韓国文化」の授業、5段階は、「韓国社会理解」の授業です。
5段階では、永住を目指す場合は基本コースのみ、帰化を目指す場合は基本と深化コースの両方を受講します。
韓国語と韓国文化 | 韓国社会の理解 | ||||||
段階 | 0段階 | 1段階 | 2段階 | 3段階 | 4段階 | 5段階 | |
コース | 基礎 | 初級1 | 初級2 | 中級1 | 中級2 | 基本 | 深化 |
総授業時間 | 15時間 | 100時間 | 100時間 | 100時間 | 100時間 | 50時間 | 20時間 |
評価 | なし | 1段階評価 | 2段階評価 | 3段階評価 | 中間評価 | 永住用総合評価 | 帰化用総合評価 |
出典:사회통합정보망 Soci-net 과정 및 이수시간のページより翻訳
0段階からスタートした場合は、0→1→2→…→5というふうに、順番に授業を受けていくことになります。
どの段階からスタートするかは、事前にレベルテストを受けることで決まります。
5段階の授業に関しては、2021年8月から内容と時間の変更が予定されています。
どんな人が受ける?受けなければいけない人は?
사회통합정보망 Soci-net によると、「すべての移民と国民が希望に応じて自立的に申し込み」と書いてあるので、韓国国籍を持っている人や移民(定義があいまいですが、おそらく外国人登録を済ませた外国籍の人?)なら誰でも受講できるようです。
社会統合プログラムを受けた方が良い人、受けると役に立ちそうな人はこんな人です。
社会統合プログラムを受けるメリットがある人
●居住(F7)ビザの申請、永住権(F5)ビザ、帰化の申請を検討している人
●韓国語初級者で、韓国語を学びたい人
永住権ビザや、居住ビザの取得、帰化を考えている人
社会統合プログラムを5段階まで受講し、総合評価というまとめテストを受けると合格証が発行されます。
総合評価の合格証は、永住権(F5)ビザの申請の際に基本的に必須であるほか、居住(F7)ビザのポイントが加点されます。
また、帰化申請の際も面接が免除されるなどの特典があるようです。
ですので、将来的にこれらのビザの申請を考えている人は、受講を考えてもよいと思います。
▼永住権に必要な書類はこちらから
ポイントとしては、今のところ社会統合プログラムの総合評価の成績表には有効期限がないということです。
ですので、社会統合プログラムを受講して、総合評価に合格しておけば、将来ビザを申請するときに利用することができます。
社会統合プログラムは、受講にはそれなりの時間が必要なので、今後、就職や出産・育児などで時間がとられることが分かっている方などは、時間がとれる間に事前に授業を受講してしまうというのもありだと思います。
逆に、今のところ上記のビザの申請は考えていないという人は、急いで受ける必要はないかと思います。
韓国語を勉強したい人
また、0~4段階は韓国語と韓国文化に関する授業のため、韓国語の授業としてプログラムを利用することもできるかと思います。
授業は無料ですので、韓国に来たばかりなどで、まだ韓国語があまりできないという方は、語学堂や学院に通う代わりにこのプログラムを利用するのも良いと思います(多文化センターでも韓国語の授業を受けられるので、そちらでも良いと思いますが)。
後述しますが、TOPIK4級以上を持っていれば社会統合プログラムの0~4段階までは免除され、5段階の授業を受けることになることを見ると、社会統合プログラムの韓国語の授業レベルは初級~中級レベル程度ではないかと思います。
授業について
授業の内容についてご紹介します。
授業の内容
社会統合プログラムは、0段階~5段階の合計6段階に分かれています。
0~4段階までは、「韓国語および韓国文化」の授業、5段階は、「韓国社会理解」の授業です。
私はTOPIKの成績表があり、4段階までの授業が免除になったので、5段階の授業を受けました。
▼実際の授業の進み方や、授業を受けた感想はこちらから
開催される場所
大学や、多文化センターなどで授業が開催されます。
ただし、現在はコロナウイルス対策のため基本的にオンラインでの開講となっています。
学校まで通うのはなかなか大変なので、オンラインで受講できるのはありがたいなと思っています。
スケジュール
授業のスケジュールは、段階が決まってからでないと見ることができません。
ですので、事前評価を受けるか、TOPIKの成績連携を行うなどして、段階が割りふられないと、どこで・いつ・何時に授業が行われるのか確認することができません。
参考までに、私は5段階の授業を受講したのですが、ほとんどの授業が1ヶ月~1.5ヶ月以内に50時間の授業を行うというスタイルでした。
だいたいどのクラスも一週間に10~12時間くらいの授業を受けることになると思いますので、なかなかのハードスケジュールですね。
授業の曜日は、土日に5時間ずつ行うクラス、平日5日間2時間ずつ行うクラスなどバリエーションがあり、時間帯も朝、昼、夜と様々で、各人のスケジュールにあわせて受講できる形になっています。
まとめ
社会統合プログラムとは?
・主に移民や在外同胞向けに、韓国語や韓国文化・社会への理解を深める授業。
・ビザ申請の条件を満たすために受講する人が多い。
・授業は無料
・0段階~5段階に分けられていて、レベルテストを受けて段階が決定される
・授業は大学や多文化センターなどで開催される
・2021年4月現在は新型コロナウイルス対策のためオンラインで開催
▼詳しい情報、最新の情報は公式サイトからご確認ください。
▼実際に社会統合プログラムを受講する方法ついてはこちらをどうぞ。
本記事の内容につき、私も自分自身が調べながらまとめているため正確でない部分があるかもしれません。
記載の間違いなどがありましたら、お問い合わせフォームまたはツイッターからお声がけください。
いつも当ブログを読んでくださってありがとうございます。
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