今回は、韓国の永住権などの申請に必要な社会統合プログラムの受講申請の方法をご紹介します。
社会統合プログラムとは何?どんな内容なのか知りたいという方は、前回の記事からご覧ください。
本記事はこんな方に向けて書いています。
●社会統合プログラムの申請方法を知りたい
●社会統合プログラムを受けずにビザ取得に必要な書類を取得する方法を知りたい
●TOPIK成績連携の方法を知りたい
申請~受講~評価の流れ
社会統合プログラムの受講の基本的な流れは以下の通りです。
社会統合プログラムの受講の流れ
❶事前評価(レベルテスト)を受ける(有料)
❷自分のレベルに見合った段階に割り振られる
❸授業を受講する
❹1~4段階の各授業終了後、評価を受ける(0段階は評価なし。4段階の評価のみ有料)
❺5段階の授業終了後、総合評価を受ける(有料)
❻合格証発行!
0~5段階のどのレベルに入るかは、事前評価の結果によって決まります。
事前評価を受けなかった場合、0段階からスタートになります。
後述しますが、一定の条件を満たせば、一部の授業が免除になることがあります。
事前評価とは
❶の事前評価(レベルテスト)では、筆記試験と口頭試験が行われます。
事前評価の結果によって、0~5段階のどのレベルに入るかが決まります。
2021年の試験日程はこちら。
最新情報は、사회통합정보망Soci-Net でご確認ください。
1年に約10回ほど行われ、受験するためにはSoci-Netから申請が必要です。
事前評価について
●試験費用:38,000W
●筆記試験(60分)
選択問題48問、記述式(短文)2問の計50問
●口頭試験(10分)
読み上げ、読解、会話、リスニングなど5問
事前評価が免除になる場合
条件を満たせば、事前評価を受けずに社会統合プログラムを受講することができます。
事前方法を受けずに社会統合プログラムを受けられる人
●TOPIKの成績表がある場合
●結婚移民者(TOPIK1の1級成績証明書または法務部指定の教育機関の履修証があれば2段階に配置)
有効期限内のTOPIKの成績表がある人は、事前評価を受けずに、持っているTOPIKのレベルに対応した段階の授業を受けることができます。
TOPIK評価 | 1級 | 2級 | 3級 | 4〜6級 |
段階 | 2段階 | 3段階 | 4段階 | 5段階 |
TOPIKの成績を提出する方法は、TOPIK成績連携の方法で説明しています。
総合評価とは
5段階の授業を受け終わると、総合評価を受けることになります。
総合評価は、永住用の総合評価(KIPRAT)と帰化用の総合評価(KINAT)の2種類があるのですが、ここでは永住用の総合評価(KIPRAT)についてご紹介します。
永住用の総合評価(KIPRAT)も、事前評価と同じく、筆記試験(選択問題+作文)と、口頭試験に分かれています。
2021年の試験日程はこちら。
最新情報は、사회통합정보망Soci-Net でご確認ください。
1年に約10回ほど行われ、受験するためにはSoci-Netから申請が必要です。
永住用総合評価(KIPRAT)について
●試験費用:38,000W
●筆記試験(60分)
選択問題36問、作文4問の計40問
●口頭試験(10分)
読解、会話、リスニング、スピーキングなど5問
●合格点
100点満点中60点
社会統合プログラムを受けずにビザ申請に必要な書類を取得する方法
永住権申請に必要なのは、総合評価の合格証なのですが、社会統合プログラムを受講せずに合格証を取得する方法があります。
永住用の総合評価(KIPRAT)を受けるための条件を確認してみましょう。
永住用の総合評価(KIPRATを受けられる人
❶ 5段階の基本課程(50時間)を修了後、基本課程の講義終了日から2年以内の人
❷ 5段階の基本課程を修了していないが、事前評価で85点以上を得点した日から2年以内の人
上記❷の通り、事前評価で85点以上を獲得すると、社会統合プログラムを受けずに総合評価を受験することができます。
社会統合プログラムの授業を聞かなくても、総合評価にさえ合格すれば、ビザに必要な合格証が手に入るということですね。
ただし、この場合総合評価に向けて独学で勉強する必要があります。
私自身は、最初この制度の話を聞いたとき、「授業が免除になるなら絶対そっちの方がいい!」と思いました笑。
ただ、総合評価に向けて独学で準備するのに不安があったので、とりあえず、社会統合プログラムのテキストと総合評価のテキストを取り寄せました。
テキストを見てみて、独学するのは大変そうと感じたので、社会統合プログラムを受講することにしました。授業自体は無料ですし、総合評価の内容は5段階の授業からも出されるということでしたので、授業を受けても良いかなと思いました。
テキストは一般の書店で買えるので、迷っている方は一度テキストを取り寄せてみることをおすすめします。
ツイッターで教えていただいた話では、事前評価は対策すればそこまで難しいテストではないけれど、総合評価はそれなりに準備が必要とのことでした。
社会統合プログラムを受けずにビザ申請に必要な書類を取得する方法
事前評価で85点以上を獲得し(その場合、社会統合プログラムの受講が免除になる)、総合評価で合格する
◎メリット
数十~数百時間にわたる社会統合プログラムの授業が免除になる
△デメリット
総合評価に向けて独学で勉強する必要がある
社会統合プログラムを受けないとどうなるの?
ちなみに、総合評価の合格証には、社会統合プログラムを履修したかどうか記載する欄があるそうなのですが、授業を受けた場合は「履修」、受けなかった場合は「未履修」にチェックが入るようです。
どちらにしても永住権の申請はできますが、帰化の申請をする場合、社会統合プログラムを受けていると帰化申請時の面接が免除になる等のメリットがあるようです。
いまのところ帰化の予定がなく、永住権だけの取得を考えているということであれば、特にどちらの方法でも違いはないかと思います。
社会統合プログラム 受講申請方法
申請の流れを簡単にご説明します。
会員登録
사회통합정보망Soci-Netで会員登録
ページの一番上の회원가입(join membership)からフォーマットに必要事項を記入していくとすぐ登録できます。
事前評価を受ける
사회통합정보망Soci-Netトップページから、사회통합프로그램 평가신청にアクセスし、申請します。
TOPIK成績連携の方法
私の場合は、有効期限内のTOPIKの成績表があったので、事前評価を受けないで段階の振り分けをしてもらうことができました。
TOPIK成績連携のためには、本来であれば出入国管理事務所まで行かなければいけないのですが、現在は新型コロナウイルスの感染対策のために、メールで申請が可能になっています。
TOPIK成績連携に必要な書類
・사회통합프로그램 연계 신청서(社会統合プログラム連携申請書)
・ 한국어능력시험 성적증명서(TOPIK成績証)
・외국인등록증(外国人登録証)表面、裏面それぞれのスキャンまたは写真
・ 위임장(委任状)代理申請の場合必要
社会統合プログラムの管轄は各出入国管理事務所なので、メールは自分の住んでいる地域の管轄の出入国管理事務所に送ることになります。
▼TOPIK連携の詳細と各出入国管理事務所のメールアドレスは以下からご確認ください。
알림마당→공지사항→左側のメニューの민원소식
※「TOPIK 연계평가 및 결혼이민사증 연계」というタイトルのお知らせにTOPIK連携の詳細や申請書が添付されています。
※「사회통합프로그램 관련 방문민원의 한시적 이메일 접수안내」というタイトルのお知らせに各出入国管理事務所のメールアドレスが添付されています。
授業の受講申請
TOPIK申請をして、2日後にはすでに段階が割り振られていました(割り振りが完了した旨の連絡などはなかったです)。
段階が割り振られると、マイページの画面で自分の段階が緑色に変化しています。
사회통합정보망Soci-Net→ログイン→마이페이지
下の写真では5段階に割り振られた状態です。
この状態で、緑の枠内の「상세」という灰色ボタンをクリックすると、自分が受けることができる授業の一覧が表示されます。
開催場所や時間などを確認して、申請期間内になったら운영기관명(運営機関名)をクリックし、その画面から申請を行うことができます。
受講申請は、申請開始日の午前9時からスタート。
定員が少ない授業は、すぐにいっぱいになってしまうことがあるので、9時にスタンバイしておいた方がよさそうです。
5段階の授業を受ける方は、授業終了後、総合評価を受けることになるので、総合評価の日程も確認しながらクラスを決めると良いかなと思います。
hwpファイルを見る方法
社会統合プログラムの公式サイト、사회통합정보망Soci-Netでは、韓国の政府系サイトでよく使われるhwpファイルというファイル形式がよく使われていて、ファイルを開けない人が多いと思います。
下記のサイトでは、ダウンロードしたファイルを、「Drop files here」という水色のゾーンにドラッグするか、水色のゾーンをタップしてファイルを開くとファイルの中身が見られますので、ご活用ください。
▼HWP Viewer - View hwp file formats online for free!
今日は社会統合プログラムの受講申請の方法についてご紹介しました。
▼詳しい情報、最新の情報は公式サイトからご確認ください。
本記事の内容につき、私も自分自身が調べながらまとめているため正確でない部分があるかもしれません。
記載の間違いなどがありましたら、お問い合わせフォームまたはツイッターからお声がけください。
いつも当ブログを読んでくださってありがとうございます。
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